高音が出ないボーカルはEQだけじゃ解決しない?本当に効く判断基準

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「高音が出ない」って、実は高音が“聞こえてない”だけ、かも。

ボーカルの高音、もっとクリアに、抜け良くしたいのに、EQでハイを上げるとキンキンするだけ。もうどうしたらいいのかわからない…ってこと、ないですか?

高音が出ない悩みを抱えている人は、きっと何度もEQのハイシェルビングをいじったはずです。

でも、それ、実は逆効果になっている可能性があるんですよ。

この記事でわかること

  • 高音が出ない原因は「聞こえてない」ことにある
  • EQカットがなぜ高音を際立たせるのか
  • 倍音生成でボーカルの高音を自然にブーストする方法
  • ダイナミクス処理が高音に与える意外な影響

高音が出ない本当の理由「出てない」のではなく「埋もれている」

多くの人が「高音が出てないから足そう」と考えますよね。

でも、実はそのボーカル、最初から高音はそれなりに出ているケースが多いんです。

問題は、不要な周波数帯が邪魔をして、肝心の高音がリスナーに届いていないこと。

初心者が陥りがちな罠:闇雲な高音ブースト

高音を出そうとEQのハイエンドをブーストすると、確かに音は明るくなります。

しかし、同時にボーカルに含まれるノイズや耳障りな倍音まで持ち上げてしまうんですよ。

結果、キンキンしたり、耳に刺さる不快な音になったりして、結局元に戻すことになります。

これは、高音を「足す」ことばかり考えているから起きる現象です。

ポイント

高音は「足す」より「引く」、そして「作る」意識でアプローチしてください。

高音を「聴かせる」ための実践的アプローチ

ここからは、あなたのボーカルの高音をクリアに、そして自然に際立たせるための具体的な方法を3つ紹介します。

1. 「カット」で高音を際立たせるEQ術

まず、高音を足す前に、邪魔な帯域を削りましょう。

これだけで、相対的に高音がクリアに聞こえるようになります。

不要な低域・中低域をカットする

ボーカルにとって、低域や中低域には不要なモコつきや、他の楽器とぶつかる原因となる帯域が多く存在します。

思い切ってローカットフィルターで100Hz〜150Hzあたりまで削ってみてください。

これだけでも、声のクリアさが段違いになります。

さらに、200Hz〜500Hzあたりに存在する「モコつき」を、-2dB〜-4dB程度、Q幅を広め(0.8〜1.5くらい)にカットしてみてください。

これで声の輪郭がはっきりし、高音が抜けやすくなるはずです。

周波数帯 調整例 効果 注意点
100-150Hz以下 ローカット 不要な低音、マイクの振動ノイズなどをカットし、クリアさを増す カットしすぎると声が軽くなりすぎる
200-500Hz -2dB〜-4dBカット (Q: 0.8-1.5) 声のモコつき、不明瞭さを解消し、高音の抜けを良くする ボーカルの厚みがなくならないように注意

EQの調整は、「他の楽器とぶつかってないか」「声がクリアになったか」を基準に判断してください。

2. 「倍音」をコントロールして高音を生成する

EQで持ち上げるだけでは不自然になるなら、倍音を付加して高音を「生成」してみましょう。

これにはサチュレーターやエキサイターが効果的です。

サチュレーターで偶数次倍音を付加する

サチュレーターは、アナログ機器の飽和感を再現するプラグインです。

偶数次倍音を付加することで、声に暖かさや厚み、そして自然な輝きを与えます。

ほんの少し加えるだけで、ボーカルの存在感がぐっと増しますよ。

エキサイターで特定の倍音を強調する

エキサイターは、元々存在しない倍音を人工的に生成し、強調するプラグインです。

プレゼンス帯(3kHz〜5kHz)やエア帯(8kHz〜12kHz)にターゲットを絞って、少しずつブレンド量を上げてみてください。

声に「ツヤ」や「空気感」が加わり、高音が華やかに聴こえるようになります。

どちらもかけすぎると不自然になったり、耳に痛くなったりします。

「原音の魅力を損ねていないか」「自然な輝きがあるか」を基準に、慎重に調整してください。

3. 「ダイナミクス」で高音をコントロールする

コンプレッサーやディエッサーの使い方も、高音の出方に大きく影響します。

コンプレッサーのアタック設定に注意する

コンプレッサーを強くかけすぎると、声のアタック部分が潰れてしまいます。

特に高音域はアタック成分に多く含まれるため、アタックタイムを遅めに設定(10ms〜30ms程度)して、高音が潰れないようにしましょう。

レシオも2:1〜3:1くらいに控えめに設定し、自然なダイナミクスを保つことが重要です。

ディエッサーで削りすぎない

歯擦音(サ行の「ス」など)を抑えるディエッサーは非常に便利です。

しかし、高音が出ないと感じているなら、一度ディエッサーをオフにしてみてください。

もしかしたら、ディエッサーで高音まで削りすぎてしまっているかもしれません。

必要な帯域(5kHz〜8kHz)に絞り、スレッショルドを慎重に調整して、必要な高音は残すように心がけてください。

まとめ:高音は「聴かせる」意識でミックスが変わる

「高音が出ない」という悩みは、単に高音をブーストするだけでは解決しません。

むしろ、それが原因でミックスを台無しにしていることもあります。

今日から試してほしいのは、以下の3つのアプローチです。

  1. EQで低域・中低域の不要な成分を「引き算」する
  2. サチュレーターやエキサイターで「倍音を生成」して高音に輝きを与える
  3. コンプとディエッサーの「ダイナミクス」を高音が潰れないようにコントロールする

まずは、あなたのボーカルトラックにEQを立ち上げて、100Hz以下のローカットと200〜500Hzのモコつきを削ってみてください。

これだけで、あなたのボーカルの高音は劇的にクリアになるはずです。

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この記事を書いた人

音脳ラボ運営。宅録・DTM・歌ってみたを中心に、実体験ベースで音作りを研究しています。

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