録音にエアコン音、入っちゃいませんか?
「エアコン止めたはずなのに、なんかゴォーって音が入ってる気がするんだよな…」ってこと、ないですか?
ボーカル録音や楽器の宅録で、せっかく良いテイクが録れたと思ったら、エアコンの「ゴォー」とか「サーッ」って音がバッチリ入っちゃってる。これ、本当にガッカリしますよね。
ミュートしたはずなのに、それでも入る謎のノイズ。その原因と、今日からすぐに試せる具体的な対策を、音脳ラボが徹底解説します。
この記事でわかること
- エアコン音が録音に入る根本的な原因
- 録音前にできる具体的な物理対策
- マイクやDAWの設定でノイズを減らす方法
エアコン音が録音に入ってしまう「本当の」原因
「エアコン音」と一言で言っても、実は複数のノイズ源が混ざり合っていることが多いんです。
単なる「風切り音」だと思ってエアコンを止めれば解決、と思いがちじゃないですか?
しかし、残念ながらそれだけでは不十分な場合が多いんですよね。
原因1:空気の振動(風切り音、機械音)
これは一番わかりやすい原因です。
エアコンのファンが回る音や、冷媒が流れる音が空気中を伝わってマイクに届いています。
エアコンを止めれば基本的に止まりますが、実は停止後もしばらく音が残ることがあるんです。
原因2:構造を伝わる振動(建物の揺れ)
これが意外と盲点なんです。
エアコンの室外機って、結構な振動を出しているのを知っていますか?
その振動が、建物の壁や床、天井を伝わって録音している部屋まで届き、マイクスタンドを通じてマイクに伝わってしまうことがあります。
マイクは空気の振動だけでなく、この構造振動も拾ってしまうんですよね。
ポイント
エアコンを止めても音が残る場合、その原因の多くは室外機からの「構造振動」です。
原因3:電気的なノイズ(稀なケース)
これは比較的稀なケースですが、エアコンのモーターや制御回路から発生する微弱な電磁ノイズが、マイクケーブルやオーディオインターフェースを通じて混入することもあります。
「ジー」とか「ブーン」といった高周波のノイズが特徴です。
今日からできる!エアコン音対策「3つのステップ」
原因がわかったら、あとは対策するだけです。
物理的な対策からDAWでの処理まで、順番に試していきましょう。
ステップ1:録音前の「儀式」で物理的に遮断する
まずは録音前にできる、一番効果的な物理対策です。
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エアコンは「録音の10分前」には必ずオフに!
録音直前にエアコンをオフにするのはNGです。
エアコンのファンや室外機は、停止ボタンを押してもすぐには完全に停止しないことがあります。
また、配管に残った冷媒がしばらく音を発し続けることもあります。
最低でも10分前にはオフにして、部屋の空気が落ち着くのを待ってください。
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マイクとエアコンの間に「物理的な壁」を作る
エアコンの吹き出し口とマイクの間に、吸音材や毛布、厚手のカーテンなどを置いてみてください。
完全に密閉する必要はありませんが、音の通り道を物理的に遮断するイメージです。
これで空気伝導のノイズはかなり軽減されます。
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マイクスタンドの脚に「防振材」を挟む
これが「構造を伝わる振動」対策の肝です。
マイクスタンドの脚が床に直接接していると、室外機からの振動をダイレクトに拾ってしまいます。
マイクスタンドの脚の下に、ゴム製のインシュレーターや厚手のゴムシート、あるいはテニスボールを半分に切ったものなどを置いてください。
これだけで、低域のゴロゴロとしたノイズが劇的に減ることがあります。
ステップ2:マイクやDAWの設定で「拾いにくくする」
物理的な対策をしたら、次はマイクとDAWの設定を見直します。
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マイクの指向性は「単一指向性(カーディオイド)」に設定する
コンデンサーマイクを使っているなら、指向性を単一指向性(カーディオイド)に設定してください。
単一指向性は、マイクの正面の音を最もよく拾い、側面や背面からの音を減衰させる特性があります。
これにより、狙ったボーカルや楽器の音だけを効率よく拾い、エアコンからのノイズを拾いにくくします。
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マイクの入力ゲインは「最小限」に設定する
ゲインを上げすぎると、必要な音と一緒にノイズも大きく増幅されてしまいます。
必要な音量が得られる、ギリギリの低いゲイン設定を見つけてください。
DAWで録音レベルを確認しながら、ピークが-6dB〜-12dBあたりに来るように調整するのが目安です。
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DAWのノイズリダクションは「最終手段」と心得よ
DAWに搭載されているノイズリダクションプラグインは、確かにノイズを消してくれます。
しかし、実はこれ、音質劣化のリスクがかなり高いんです。
ノイズを削る際に、肝心なボーカルや楽器の音の成分まで一緒に削ってしまい、不自然な音になってしまうことが多いんですよね。
ノイズリダクションは、あくまで最終手段として、最小限のパラメーターで試すようにしてください。物理対策が不十分なまま多用するのはおすすめしません。
ステップ3:【応用】EQで不要な帯域をカットする
録音後に、どうしても残ってしまったノイズに対しては、EQ(イコライザー)で対処します。
エアコンのノイズは、主に以下の帯域に集中していることが多いです。
- 低域の「ゴォー」「ブーン」:80Hz〜200Hzあたり
- 中高域の「サーッ」「ヒュー」:4kHz〜10kHzあたり
まず、ローカットフィルターを80Hzあたりから徐々に上げてみてください。
ボーカルや楽器の音に影響が出ない範囲で、不要な低域ノイズをカットします。
次に、ハイカットフィルターを15kHz以上で試すのも有効です。耳には聞こえにくい高周波ノイズをカットできます。
ただし、EQでノイズを完全に消そうとすると、本来の音まで痩せてしまう可能性があります。「ノイズを完全に消す」のではなく、「目立たなくする」という意識で調整しましょう。
まとめ:録音は「事前の対策」で9割決まる
録音にエアコン音が入ってしまう問題、その原因は空気伝導と構造伝導の複合であることがほとんどです。
今日から試せる対策は、以下の3つでした。
- 録音の10分前にはエアコンをオフにし、マイクスタンドの足元に防振材を挟む。
- マイクの指向性を単一指向性に、入力ゲインは最小限に設定する。
- DAWのノイズリダクションやEQは、最後の手段として控えめに使う。
録音のクオリティは、DAWでの処理よりも「録音前の準備」で9割決まります。
今回紹介した物理的な対策は、お金をかけずに今すぐ実践できるものばかりです。
ぜひ、次の録音から試してみてください。きっと、クリアな音質の違いに驚くはずですよ!

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