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【注意】吸音材では防音できません!正しい“防音”の考え方とは?

「家で歌や楽器の録音をしたい」「深夜でも気にせず音を出したい」──そんな思いから、吸音材を買って壁に貼ってみた方も多いはず。
でもちょっと待ってください!吸音材を貼るだけでは、“防音”にはならないって知っていましたか?

この記事では、防音と吸音の違いを分かりやすく解説しながら、「音漏れしない環境をつくるために本当に必要なこと」をお伝えします。
間違った対策でお金や時間をムダにしないためにも、まずは正しい知識からスタートしましょう!

目次

🔰 よくある勘違い|吸音=防音ではない

「防音したいから、吸音材を壁に貼ってみたんです!」──SNSやレビューでも、よく見かけるコメントです。
でも実はこれ、ちょっと危ない勘違いなんです。

吸音材=防音材ではありません。
吸音材はあくまで「音の反射」や「部屋の中の響き(残響)」をコントロールするもので、音が部屋の外に出るのを防ぐ力はほとんどないのです。

たとえば、壁にスポンジ状の吸音材をびっしり貼っても、その向こうの壁自体が薄ければ、声や音はそのまま壁を貫通して外に漏れてしまいます。
これは、「声は空気だけでなく、物質(壁や床)を振動させて伝わる」からです。

しかも、吸音材が効果を発揮するのは基本的に中〜高音域のみ。
低音(ベース音や男声の低域など)は壁や床を通じて伝わるため、吸音材ではまったく抑えられません。

つまり、「吸音材で防音したつもり」では、思った以上に音漏れしているというケースがほとんどなのです。
夜間に声を出して録音したり、楽器の練習をする方にとっては、これはかなり深刻な問題になります。

防音と吸音は、目的も使う素材もまったく違うということを、まずしっかり押さえておきましょう。

  • ✅ 吸音:室内の音の反射や響きをコントロールする
  • ❌ 防音:音が漏れるのを防ぐには別の素材(遮音材・質量材など)が必要

この違いを知らずに「防音=吸音」と思い込んでしまうと、せっかく貼った吸音材がまったく目的に合っていなかった…という悲しい結果になってしまいます。
逆に、正しい知識をもって対策すれば、限られた予算でもしっかり効果を出せる環境がつくれるんです。

🎧 用語をしっかり区別しよう

用語 意味 目的
吸音 室内の音の反響を抑える 音質改善
遮音 音が通過しないようにブロック 音漏れ防止
防音 吸音 + 遮音 + 振動対策 外に音を出さない

🔊 吸音材だけでは音は“止まらない”

防音と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが「ウレタン製の吸音材」や「フェルト状のシート」かもしれません。
たしかにこれらは、音を吸収して室内の“響き”を整えるのに役立ちます。でも実は、音を“止める”ことにはほとんど役に立たないんです。

なぜなら、吸音材は空気中を伝わる音(空気伝播音)の反射を抑えるためのものであり、壁や床を通して伝わる音(固体伝播音)には無力だからです。
特に人の声やベース音などの低域成分は、壁や床を物理的に振動させて外に伝わります。これはもはや「音」ではなく「振動」なのです。

この振動に対して、スポンジのような軽くて柔らかい素材ではまったく歯が立ちません。
いくら部屋中に吸音材を貼っても、壁や床の構造そのものが音を通しやすいままだと、隣の部屋や外へ音漏れしてしまいます

特に気をつけたいのが、下記のようなケースです:

  • 🎸 ベース音やバスドラムなど、低域が多い音源を扱っている
  • 🎤 声量の大きいボーカルを録音・練習している
  • 🏠 木造アパートや壁の薄い部屋での録音を考えている

このような状況では、吸音材だけで音を止めようとするのはほぼ不可能です。
防音には、音のエネルギーそのものを遮る遮音材(=質量のある素材)や、音の振動を軽減する防振材が不可欠になります。

たとえば以下のような素材が、実際の“防音”には効果的です:

  • 🧱 遮音シート:鉛入りやゴム系など、質量で音を止める素材
  • 🪵 石膏ボード(防音用):壁材として追加することで遮音性アップ
  • 📦 防振ゴム・制振マット:構造振動(音の伝播)を軽減するアイテム

つまり、吸音材は「音を止めるもの」ではなく、「音を整えるもの」
防音をしたいなら、遮音・防振との組み合わせが必須というわけです。

🚪 本当に防音したいなら「遮音+質量+密閉」

「壁に吸音材を貼ったのに、なぜか音漏れが減らない…」
それは防音の本質を見落としているからかもしれません。
音を“止める”ためには、遮音・質量・密閉という3つのキーワードを正しく理解し、それぞれをバランスよく組み合わせる必要があります。

1️⃣ 遮音:音を跳ね返して通さない

遮音とは、音を跳ね返して通さないこと。
ここで使われるのが「遮音シート」や「防音パネル」などの密度が高く重い素材です。

  • 遮音シート:ゴム系・鉛系など、柔らかくて重い素材がベスト
  • 防音ボード:石膏ボードや合板などで壁全体を強化

重要なのは素材の重さと密度。軽い素材は音を簡単に通してしまうため、重くて振動しにくいものを使うことが基本です。

2️⃣ 質量:重さが防音力に直結

「質量則」という防音の基本原理があります。
これは壁の質量(重さ)が大きいほど音を通しにくくなるという物理法則です。

  • 重い壁(コンクリート・石膏ボード2重) > 軽い壁(ベニヤ・石膏ボード1枚)
  • 遮音シートを間に挟む「サンドイッチ構造」でさらに強力に

DIYでも、石膏ボード+遮音シートの組み合わせで市販の防音ブースに匹敵する遮音効果を得ることができます。

3️⃣ 密閉:音はすき間から漏れる

どんなに分厚い壁を作っても、すき間があると音は漏れます
防音対策の仕上げとして、「密閉」は欠かせません。

  • ドアの隙間:防音パッキンや気密テープでしっかりふさぐ
  • 窓まわり:すき間テープ+防音カーテンで二重対策
  • 換気口や配線穴:防音キャップやコーキングで密閉

さらにコンセントや照明器具の裏など、見えない小さなすき間にも注意。
「空気が通る=音も通る」と覚えておきましょう。

このように、「遮音」「質量」「密閉」の3つをセットで考えてこそ、本当の意味での“音漏れしない部屋”が実現します。
吸音材だけに頼るのではなく、構造そのものを見直すことが防音の第一歩です。

📌 おすすめの遮音素材はこれ!

  • ニトムズ 遮音シート J1020(10mロール)
  • ワタナベ工業 防音マット(高密度EVA素材)
  • 静音くんシート(遮音 + 防振タイプ)

遮音材は「できるだけ重く・隙間なく・壁に密着」が原則。
粘着性の高い両面テープやパテで隙間を防ぐとさらに効果的です。

💡 実際にやるなら「壁の構造」にも注目

どんなにいい吸音材・遮音材を貼っても、壁が薄い石膏ボード1枚なら音は漏れます。

以下のような構造が防音には理想です:

  • 二重壁構造(浮かせた内壁)
  • 遮音シート+合板+吸音材
  • 床と天井にも防音処理(音は上下にも漏れます)

🎤 実録!吸音材だけの効果と限界

吸音材のみ:
→ 声の反響は減ったが、隣室には丸聞こえ(特に低音)

遮音+吸音:
→ 隣室での聞こえ方が明らかに小さくなり、特に声や中低域が減衰。

つまり、防音の効果を得たいなら吸音材だけではNG!ということがはっきりわかります。

✅ まとめ|“防音”には吸音だけでなく遮音が不可欠!

  • 吸音は「音の反射・響き」を抑えるもの
  • 防音とは「音漏れを防ぐ」こと=遮音が必須!
  • 壁の構造・密閉性・重さが防音のカギ

「防音したいから吸音材を貼る」は半分正解で半分不正解
ぜひ本記事を参考に、正しい防音対策で快適な録音環境を手に入れてくださいね。

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