【ミキシング】パラレルコンプ、かけても音が変わらないって感じてない?
パラレルコンプ、ミックスの定番テクニックとしてよく聞きますよね。
「音が太くなる」「パンチが出る」「密度が増す」って言われるけど、正直、よくわからないって思ってませんか?
なんか音がモコモコするだけとか、逆にスカスカになる気がするんだよな…。
DAWの操作は知ってるけど、いざやってみると「あれ、これ効いてる?」ってなる現象。
実は、パラレルコンプが効かない原因は、多くの場合「使い方」に隠されています。
この記事でわかること
- パラレルコンプが効かない本当の原因
- 「ぶっ壊れるくらい強くかける」理由
- ドライ音とウェット音の正しいブレンド方法
- 今日から使える実践的な設定例
【核心】パラレルコンプが効かない3つの「勘違い」
パラレルコンプが効果を発揮しない原因は、主に3つの勘違いにあります。
これを知るだけで、あなたのミックスは劇的に変わりますよ。
勘違い1: 「コンプは軽くかける」は、パラレルでは逆効果!
通常のインサートコンプでは「軽くかける」のが基本。これは正解です。
でも、パラレルコンプで同じことをしたら、実はほとんど意味がありません。
軽くかけたコンプ音を元の音にブレンドしても、元の音と大差ないため効果が薄いんですよ。
パラレルコンプで重要なのは、「ぶっ壊れるくらい強くかける」こと。これがスタート地点です。
勘違い2: ブレンドは「50%」が正解じゃない
Wet/Dryノブがあるコンプだと、とりあえず「50%」にしちゃう人、多いんじゃないですか?
これも、パラレルコンプの本来の目的とはズレています。
パラレルコンプの本質は、「元の音(ドライ)のダイナミクスを保ちつつ、コンプで潰した音(ウェット)の『厚み』や『サステイン』だけを足す」ことです。
ドライ音をベースに、ウェット音を「少しずつ足していく」感覚が大切です。
勘違い3: パラレルコンプの「目的」を誤解している
「パラレルコンプで音を太くする」という目的は合ってます。
でも、実はそれだけじゃないんですよね。
一番の目的は、元の音の美味しいアタック感やダイナミクスを殺さずに、全体の密度や存在感をアップさせることなんです。
通常コンプで深くかけると失われがちな「生々しさ」を、パラレルコンプなら両立できます。
ポイント
パラレルコンプは、「元の音を活かしつつ、コンプで得られる恩恵(厚み、サステイン、密度)だけを足し算する」ためのテクニック。
【実践】今日からできる!パラレルコンプ「本当の使い方」
じゃあ、具体的にどうすればいいのか。
ここからは、今日からDAWで実践できる具体的な手順を解説していきます。
ステップ1: センドリターンでパラレルコンプの準備
まずは、パラレルコンプ用のAUXトラック(センドトラック)を作りましょう。
- コンプをかけたいトラック(例:ドラムバス、ボーカル)の「センド」から、新しいAUXトラックに送ります。
- AUXトラックには、コンプレッサーをインサートしてください。
- センドの送り量を「0dB」に設定し、AUXトラックのフェーダーは一旦「-∞」にしておきましょう。
これで、元のドライ音とは別に、コンプをかけたウェット音を独立して扱える準備ができました。
ステップ2: コンプレッサーを「ぶっ壊れるくらい」強くかける
さあ、ここが一番重要です。
AUXトラックに入れたコンプレッサーを、「音が潰れて使い物にならない!」くらい強くかけてください。
具体的な設定の目安はこちら。
| 項目 | 設定の目安 | 意図 |
|---|---|---|
| Ratio | ∞:1(無限大) | 音量を完全に潰し、サステインを稼ぐ |
| Attack | 速め(5ms〜10ms) | アタックを強調せず、波形全体を潰す |
| Release | 遅め(200ms〜500ms) | 音が途切れないようにサステインを伸ばす |
| Threshold | 深く(-20dB以下) | コンプが常に効いている状態にする |
この時のAUXトラックの音は、もはや元の音とは別物。ペチャッとしたり、ポンプしているような音になっているはずです。
これでOK。この「潰れた音」こそが、パラレルコンプのウェット音の正体です。
ステップ3: ドライ音にWet音を「少しずつ」足す
いよいよブレンドです。
元のドライ音を再生しながら、AUXトラックのフェーダーをゆっくりと上げていきましょう。
- 元のドライ音だけで再生し、しっかり聴き込みます。
- AUXトラックのフェーダーを「-∞」からゆっくりと上げていきます。
- 音が前に出てくる、密度が増す、サステインが伸びる、と感じるポイントを探します。
フェーダーを上げていくと、ある瞬間に「あ、これだ!」という場所が見つかるはずです。
この時のウェット音の音量は、元のドライ音よりもかなり小さいはずです。だいたい-15dB〜-5dBくらいが目安になることが多いですね。
Wet/Dryノブがあるコンプなら、ドライ100%からWetを少しずつ上げていくイメージです。
【応用】パラレルコンプが特に活きる場面
この「強くかけて、少しだけ足す」パラレルコンプは、特に以下の場面で真価を発揮します。
| 対象 | 効果 | 設定のヒント |
|---|---|---|
| ドラム(バス) | アタック感を損なわずに全体の迫力と密度をアップ。 | アタック速め、リリースは曲のテンポに合わせて調整。 |
| ボーカル | 自然なダイナミクスを保ちつつ、存在感を出し、言葉の粒立ちを均一にする。 | アタック・リリースはボーカルの表情に合わせて微調整。 |
| ベース | グルーヴ感を損なわずに定位を安定させ、ボトムエンドに太さとサステインを与える。 | アタック速め、リリース長めでベースラインが途切れないように。 |
特にドラムバスで使うと、「叩いてる感」はそのままに、音圧と前に出る感じが段違いに変わります。マジで。
まとめ
パラレルコンプが効かないと感じていたあなた。
その原因は、もしかしたら「コンプのかけ方」と「ブレンド方法」にあったのかもしれません。
今日から試してほしいポイントはたったの3つです。
- パラレルコンプは「ぶっ壊れるくらい強くかける」のが正解。
- ブレンドは「50%」じゃなく、ドライ音にウェット音を「ほんの少しだけ足す」感覚。
- 目的は「元の音のダイナミクスを活かしつつ、厚みと密度をプラスする」こと。
強くかけたコンプ音を独立させて作り、それを元の音に少しだけ混ぜる。この意識でパラレルコンプを試してみてください。
きっと、あなたが求めていた「音が太くなる」「パンチが出る」という効果が、ハッキリと実感できるはずです!

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