【あるある】ボーカルが迷子になるって、こういうこと
せっかく歌ったボーカル、オケに全然馴染まない…。なんか浮いて聞こえたり、逆に埋もれちゃったりするんだよね。
これ、めちゃくちゃあるあるじゃないですか?
ミックスの主役であるはずのボーカルが、なぜか浮いて聞こえたり、バックの演奏に埋もれてしまったり。
「もっと音量上げたらいいの?」「EQいじりすぎた?」って、正直途方に暮れますよね。
でも大丈夫。その悩み、この記事を読めば解決できます。
原因はシンプルに、ボーカルに「居場所」を作ってあげられてないからなんです。
この記事でわかること
- ボーカルが浮く/埋もれる根本原因
- EQでボーカルの「専用スペース」を作る方法
- 空間系エフェクトでボーカルの「立ち位置」を調整する方法
- 初心者が陥りやすい失敗パターンとその回避策
【本質】ボーカルに「居場所」がないってどういうこと?
ミックスって、いろんな楽器がそれぞれの役割を果たす「空間」みたいなものなんですよね。
ドラムはここ、ベースはここ、ギターはここ、みたいな。
その中でボーカルは「主役」として、一番目立つ最高の場所に居るべきなんです。
なのに、もしその「最高の居場所」が、他の楽器とモロ被りしていたらどうでしょう?
例えば、ギターソロがボーカルと同じ周波数帯で鳴っていたり、シンセパッドがボーカルを包み込むように広がりすぎていたり。
そう、まるで椅子取りゲームでボーカルだけ座る場所がない状態です。
周波数帯が衝突したり、空間が重なりすぎたりすると、ボーカルは「居場所を失った迷子」になっちゃいます。
ポイント
ボーカルが浮く/埋もれるのは、「周波数帯」と「空間」という二つの側面で他の楽器と衝突しているからです。
【実践】ボーカルに「最高の居場所」を作る3ステップ
じゃあ、どうやってボーカルに最高の居場所を作ってあげるのか?
やるべきことは、大きく分けて3つです。
- EQで「専用の周波数帯」を確保する
- 空間系エフェクトで「奥行き」を設計する
- 「居場所」は常に変化する全体像を掴む
1. EQで「専用の周波数帯」を確保する
まず最初にやるべきは、ボーカルが鳴るべき周波数帯を明確にすることです。
他の楽器が邪魔している部分を削って、ボーカルのための「専用レーン」を作ってあげましょう。
これやってください:ボーカルEQの基本設定
まずは、以下の設定を試してみてください。
| 周波数帯 | 調整例 | 効果 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 200Hz以下 | 緩やかにカット(ハイパス) | 不要な低音のモコつき除去 | Q値は低めに。ボーカルに厚みを持たせたい場合は控えめに。 |
| 200Hz〜500Hz | -1〜-3dBカット | こもり感、濁りの除去 | Q値は中程度に。ボーカルが「お腹」で鳴ってる感じならここを疑う。 |
| 3kHz〜5kHz | +1〜+3dBブースト | 明瞭さ、言葉の聴き取りやすさアップ | Q値は中程度に。やりすぎると耳に痛くなるので注意。 |
| 8kHz〜10kHz以上 | +1〜+2dBブースト | 空気感、抜けの良さ | Q値は低め(シェルビング)で。シャリつきすぎないように。 |
特に重要なのは、200Hz以下の不要な低音をカットすることです。
ここはベースやキックと被りやすい帯域なので、ボーカルのモコつきの原因になりがち。
ハイパスフィルターを迷わず使いましょう。
初心者が陥りがちな罠:EQでボーカルだけをいじる
「ボーカルが浮くからボーカルのEQだけいじりまくる」これ、やりがちじゃないですか?
実はこれ、逆効果になることが多いんです。
ボーカルのEQをいじるだけじゃなく、他の楽器も調整してあげてください。
例えば、ギターやシンセの2kHz〜4kHzあたりがボーカルと衝突していたら、そこを-1〜-2dBくらい軽くカットしてあげる。
これでボーカルがスッと前に出てくるはずです。
ボーカルは主役だけど、ミックスはチーム戦。お互いのスペースを尊重し合うことが大事なんですよね。
2. 空間系エフェクトで「奥行き」を設計する
EQで周波数帯を整理したら、次は空間系エフェクトを使ってボーカルの「立ち位置」を決めてあげましょう。
リバーブやディレイは、ボーカルの距離感や環境を表現するのに欠かせません。
これやってください:空間系エフェクトの賢い使い方
- リバーブは「センドリターン」でかける
ボーカルのインサートに直接リバーブをかけると、ボーカル本体の音とリバーブ音が混ざりすぎて、ボーカルが奥に引っ込みがちです。
必ずセンドリターンでかけましょう。これは基本なので覚えておいた方がいいです。
- プリディレイを長めに設定する
リバーブのパラメーターにある「プリディレイ(Pre-Delay)」って知ってますか?
これは、ボーカルの音が鳴ってからリバーブが始まるまでの時間のこと。
ここを50ms〜100msくらいに設定してみてください。
ボーカルが前に出て、その後に空間が広がるような印象になります。ボーカルを浮かせず、かつ空間を演出できる魔法の設定です。
- リバーブ音にもEQをかける
リバーブでボーカルがモコつく、シャリつく、と感じたら、リバーブにもEQをかけてみましょう。
低域(200Hz以下)と高域(8kHz以上)をカットすると、ボーカル本体を邪魔しないクリアなリバーブになります。
- ショートディレイで厚みを出す
ボーカルに厚みや広がりが欲しいなら、リバーブとは別にショートディレイを試してみてください。
30ms〜60msくらいのごく短いディレイをセンドリターンでかけると、ボーカルが前に出て、同時に音像が太くなります。
ここもウェット量は控えめにするのがポイントです。
初心者が陥りがちな罠:リバーブかけすぎ問題
「ボーカルに空間が欲しいから」と、リバーブをたくさんかけちゃうこと、ありますよね。
実はこれ、ボーカルが埋もれる一番の原因なんです。
リバーブは音を遠くに感じさせる効果があります。かけすぎると、ボーカルがまるでステージの奥で歌っているように聞こえちゃうんですよ。
理想は、「かかってるか、かかってないか」くらいの微妙な量から調整を始めること。
「もっと欲しいな」と感じてから少しずつ増やしていくのが正解です。
3. 「居場所」は常に変化する全体像を掴む
ボーカルの居場所は、ボーカル単体で決まるわけじゃありません。
ミックス全体の状況によって、最適な居場所は常に変化します。
ポイント
ボーカルの居場所は、ボーカル単体で決まるわけじゃない。オケとの「会話」で決まる。
例えば、サビで他の楽器が盛り上がったら、ボーカルもそれに合わせて少し音量を上げたり、EQを微調整したり。
Aメロでは少し奥に、サビではグッと前に、といった演出も可能になります。
これやってください:全体像を俯瞰する習慣をつける
ミックス中は、ボーカルソロで聴く時間と、オケと一緒に聴く時間のバランスを意識しましょう。
ボーカルソロで細かく調整したら、必ずオケと一緒に聴いて「浮いてないか」「埋もれてないか」を確認する。
もし違和感があれば、ボーカルだけでなく、他の楽器の音量やEQも調整して、ボーカルのためのスペースを空けてあげる意識が重要です。
ボーカル以外の楽器の存在感を少しだけ抑えることで、ボーカルが自然と前に出てくることも多いんですよ。
初心者がハマりがちな「居場所作り」の罠
ここまで読んでくれたあなたなら、もう大丈夫だと思いますが、念のため初心者が陥りがちな罠をまとめますね。
- ボーカルの音量を上げすぎる
浮いてるからと音量を上げても、それは「居場所がないまま叫んでる」だけ。不自然に聞こえます。
- EQでブーストばかりする
明瞭にしたいからとボーカルの特定の周波数帯をブーストしすぎると、耳に痛くなったり、他の楽器との衝突が悪化します。
- リバーブをかけすぎる
これも先ほど言ったように、ボーカルが奥に引っ込み、埋もれる原因になります。控えめが吉です。
- ボーカル単体でミックスを完結させようとする
ボーカルはオケがあってこそ輝きます。他の楽器とのバランス、協調性を常に意識してください。
これらの罠を避けるためには、「ボーカルの居場所はどこか?」という視点を常に持つことです。
ボーカルがミックスの中で「居心地よく」歌えているか、という感覚を大切にしてください。
まとめ
ボーカルが浮く/埋もれる悩みは、実は「居場所」を作ってあげることで解決できます。
今日から試してほしいことを3つにまとめました。
- EQでボーカルの「専用周波数帯」を確保する。
特に200Hz以下のカットと、3-5kHzのブーストは基本です。他の楽器も調整して、ボーカルのスペースを作りましょう。 - 空間系エフェクト(リバーブ、ディレイ)で「奥行き」を設計する。
センドリターンでプリディレイを長めに設定し、リバーブ音にもEQをかけるのがポイントです。 - ボーカルとオケ全体のバランスを常に意識する。
ボーカル単体だけでなく、オケとの関係性の中で最適な居場所を探す習慣をつけてください。
これらの調整をすることで、あなたのボーカルはグッとオケに馴染み、存在感を放つはずです。
ぜひ、今日からあなたのDAWで試してみてくださいね!

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