イントロ迷子を卒業!曲の始め方がわからない悩みを解決する3つの思考法

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イントロでつまずくあなたへ。私も同じでした

「よし、曲を作ろう!」と意気込んでDAWを開いたものの、いざイントロに取り掛かると手が止まってしまう。

「どんな音で始めればいいんだろう?」「どうやって曲の世界観を表現すればいいのかわからない…」そんな悩みを抱えているDTMerの方は、きっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

音脳ラボの編集部員である私も、駆け出しの頃はまさに「イントロ迷子」でした。納得のいく始まりが作れず、結局曲全体を放り出してしまった、なんて苦い経験も数え切れません。

でもご安心ください。この問題は、あなたの才能がないからではありません。実は、多くのDTMerが陥りがちな「思考の罠」と「知識の欠如」が原因であることがほとんどなんです。

この記事では、イントロが作れない根本的な原因を解き明かし、今日から実践できる具体的な3つの思考法をご紹介します。これを読めば、あなたの曲作りはきっと次のステージへと進むはずです。

なぜイントロはこんなにも難しいのか?その本質を探る

イントロが作れない、という問題の背景には、いくつかの心理的・音楽的なメカニズムが隠されています。

まず一つ目は、「白紙の恐怖」です。曲の冒頭という、何もない状態からスタートするプレッシャーは計り知れません。無限の選択肢の中から「最初の音」を選ぶのは、時にクリエイターの心を麻痺させてしまうものです。

二つ目は、「完璧主義の罠」です。イントロは「曲の顔」だからこそ、完璧にしなければならない、という思い込みに囚われがちです。しかし、この「完璧」を追求する姿勢こそが、実は制作を停滞させる大きな原因になり得ます。

三つ目は、曲全体の「構成力」がまだ備わっていないケースです。イントロは単体で存在するのではなく、その後に続くAメロ、Bメロ、サビといった各セクションへと、リスナーをスムーズに導く「導入」としての役割を担っています。

この「導入」という考え方が曖昧だと、どうしてもイントロだけが浮いた存在になってしまい、どう繋げればいいか分からなくなってしまうのです。つまり、イントロ単体で考えすぎることが、この問題の本質だと言えるでしょう。

専門用語で言えば、これは「ストーリーテリングの欠如」とも言えます。曲全体で語る物語の導入部をどのように描くか、その全体像が見えていない状態なのです。

もちろん、これは誰もが通る道です。私も最初は、曲の構成や展開を意識せずに、ただ良い音を探すばかりでした。

イントロ迷子を卒業するための3つの思考法

では、このイントロが作れない悩みをどう乗り越えれば良いのでしょうか?音脳ラボが提唱する「3つの思考法」を順に見ていきましょう。

思考法1:イントロの「役割」を理解する

イントロは、単なる「曲の始まり」ではありません。その曲の世界観を提示し、リスナーの期待感を醸成し、その後の展開へとスムーズに誘う重要な「役割」を担っています。

例えば、悲しいバラードであれば静かで叙情的な始まりが、アップテンポなダンスミュージックであれば、すぐに体を揺らしたくなるようなリズムやグルーヴが求められます。

イントロの役割 成功例 失敗例
世界観の提示 印象的なシンセパッドで神秘的な雰囲気を演出 曲調と全く異なる唐突なサウンド
期待感の醸成 徐々に音数が増え、サビへの盛り上がりを予感させる イントロで全要素を出し切り、サビが盛り上がらない
スムーズな導入 Aメロのメロディの一部を引用し、自然に繋げる 突然ボーカルが入る、リズムが合わない

失敗パターンとしてよく見られるのが、イントロで情報過多になってしまうケースです。あれもこれも詰め込みすぎて、結局何が言いたいのか分からなくなってしまいます。

一方、成功パターンは、必要な情報だけを厳選し、リスナーを惹きつける「フック」と、その後の展開への「布石」をバランス良く配置しています。

思考法2:サビから「逆算」する考え方

「白紙の恐怖」に打ち勝つ最も効果的な方法は、実は「ゴールから考える」ことです。

つまり、曲の「サビ」や「Aメロ」といった、すでにアイデアがある、あるいはこれから作りたい核となる部分を最初に決めてしまうのです。そして、その核となる部分からイントロへと遡って考えていきます。

プロの制作現場では、必ずしも最初から最後まで順番に作るわけではありません。むしろ、サビのメロディやコード進行、あるいは印象的なリフから作り始め、そこから逆算してイントロや他のセクションを肉付けしていくことは非常によくあります。

例えば、サビのキーがCメジャーで、テンポが120BPM、明るく疾走感のある曲調であれば、イントロも同じキーや近いテンポ感で、徐々に盛り上がっていくような構成が自然でしょう。

逆に、サビが短調でダークな雰囲気なら、イントロもそれに合わせたコード感や音色を選ぶことで、曲全体の一貫性が生まれます。この「逆算思考」こそが、イントロ迷子を脱却する強力な武器となります。

思考法3:実践!イントロの「パターン」を組み合わせるアプローチ

イントロの役割と逆算思考を理解したら、次は具体的なパターンを試してみましょう。

ここでは、代表的な3つのアプローチをご紹介します。これらを単体で使うだけでなく、組み合わせて使うことで、無限のバリエーションが生まれます。

1. フック先行型:印象的なフレーズで引き込む

曲のリードメロディの一部や、特徴的なリフをイントロで先行して提示するパターンです。リスナーの耳を一瞬で捉え、その後の展開への期待感を高めます。

  • 具体的なアプローチ
    • サビのメロディをシンプルにアレンジして演奏する。
    • 印象的なギターリフやシンセリフをループさせる。
    • リバーブタイムを2秒程度に設定し、少し長めの残響で空間を広げ、神秘的な雰囲気を演出します。
    • ディレイをかけ、フィードバックを50%程度に設定して、フレーズに広がりと奥行きを与えましょう。
  • 失敗パターンと回避策
    • 失敗:イントロのフックが強すぎて、サビが霞んでしまう。
    • 回避:イントロのフックは、サビで「本領発揮」するための導入と捉え、あえて音色を控えめにしたり、展開をシンプルにしたりして、サビでさらに盛り上がる余地を残しましょう。

2. 雰囲気先行型:サウンドスケープで世界観を作る

パッドアンビエンスサウンド(環境音)、ノイズなどを使って、曲の世界観やムードをじっくりと作り上げていくパターンです。リスナーを徐々にその曲の空間へと誘います。

  • 具体的なアプローチ
    • ゆったりとしたシンセパッドでコードを奏でる。
    • ホワイトノイズやフィールドレコーディング(環境音)を薄く加える。
    • ローパスフィルターを100Hzから200Hz程度に設定し、高域をカットして音を「こもらせた」状態からスタートし、徐々にフィルターを開いて音をクリアにしていくことで、聴覚的なグラデーションをつけられます。
  • 失敗パターンと回避策
    • 失敗:単調で退屈なイントロになってしまう。
    • 回避:単なる持続音だけでなく、LFO(Low Frequency Oscillator)でフィルターの開閉を揺らしたり、パン(定位)を左右に動かしたり、微細な動きを加えることで飽きさせない工夫をしましょう。

3. リズム先行型:グルーヴでリスナーを誘う

ドラムパーカッションベースラインなど、リズム隊をメインに据えて、曲のグルーヴをイントロで提示するパターンです。特にダンスミュージックやロックなど、リズムが重要なジャンルで効果的です。

  • 具体的なアプローチ
    • キックとスネアのシンプルなパターンから徐々に音数を増やしていく。
    • 印象的なベースラインをループさせる。
    • キックドラムの音量を-6dB程度からスタートし、2小節ごとに+1dBずつ上げていくことで、自然な盛り上がりを演出できます。
  • 失敗パターンと回避策
    • 失敗:いきなり複雑なリズムで、拍子やグルーヴが掴みにくい。
    • 回避:最初は非常にシンプルなリズムパターンから始め、徐々にハイハットやパーカッション、ベースなどを加えていく「積み重ね方式」が効果的です。

これらのパターンはあくまで出発点です。プロの現場では、これらの要素を巧みに組み合わせたり、全く異なるアプローチを試したりすることもあります。

今日からできること:3ステップで実践!

さあ、これらの思考法を今日からあなたの曲作りに取り入れてみましょう。

  1. ステップ1:サビの「イメージ」を書き出す
    • あなたの曲のサビは、どんな雰囲気で、どんな感情を表現したいですか?キーワードやイメージを箇条書きで書き出してみましょう。
  2. ステップ2:イントロの「役割」を考える
    • ステップ1で書き出したサビのイメージに対し、イントロはどんな役割を担うべきでしょうか?「期待感を高める」「世界観を提示する」「静かに導入する」など、具体的な役割を一つ決めてみましょう。
  3. ステップ3:3つの「パターン」を試す
    • フック先行型、雰囲気先行型、リズム先行型のいずれか、あるいはそれらを組み合わせて、実際にDAWでイントロを作ってみましょう。完璧を目指さず、まずは「試す」ことを意識してください。

特に、最後の「試す」というステップが重要です。頭で考えるだけでなく、実際に音を鳴らしてみることで、新たな発見があるはずです。

まとめ:イントロは「旅の始まり」です

イントロが作れないという悩みは、多くのDTMerが経験する共通の壁です。

しかし、この問題は「イントロの役割を理解する」こと、「サビから逆算する思考」で全体像を捉えること、そして「具体的なパターンを試す」ことで、必ず乗り越えられます。

イントロは、リスナーをあなたの曲という「旅」へと誘う、大切な始まりの合図です。完璧を目指すのではなく、まずは「どうすればリスナーがワクワクするか」という視点から、自由に音を紡いでみてください。

今回ご紹介した3つの思考法具体的なアプローチを参考に、ぜひ今日からあなたのDAWで試してみてください。きっと、新たな発見と、あなたらしいイントロが生まれるはずですよ。

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この記事を書いた人

音脳ラボ運営。宅録・DTM・歌ってみたを中心に、実体験ベースで音作りを研究しています。

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