コード進行がワンパターンになる原因はコレ!プロが無意識に避ける3つの思考パターン

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「また同じコード進行だ…」と悩むあなたへ

いつも同じようなコード進行になってしまい、曲にバリエーションが出せない。

「このコード進行、前にも使ったな…」と感じながら、結局そのパターンから抜け出せない。そんな経験、DTMerの皆さんなら一度はありますよね?

ご安心ください。それはあなたのセンスが悪いわけではありません。実は、多くの人が陥りがちな「思考のクセ」が原因なんです。

この記事では、コード進行がワンパターンになる本質的な理由を解き明かし、プロのクリエイターが無意識に避けている3つの思考パターンをご紹介します。

読み終える頃には、あなたのコード進行に対する考え方が変わり、今日から実践できる具体的なアプローチを身につけていることでしょう。

なぜコード進行はワンパターンになるのか?〜「心地よさ」という名の罠

コード進行がワンパターンになってしまう最大の理由は、「心地よさへの慣れ」と「機能和声の呪縛」にあります。

私たち人間は、本能的に安定し、心地よく響く音の連なりを好む傾向があります。音楽理論でいう「機能和声」とは、コードが持つ安定感や不安定感、そして解決感といった「役割」のことです。

例えば、ポップスで多用される「C-G-Am-F」のような進行は、トニック(安定)→ドミナント(不安定)→トニック代理(安定)→サブドミナント(動き出す準備)という、心地よい流れを持っています。

心地よさのメカニズム:倍音と不協和度

なぜ特定のコード進行が心地よく響くのでしょうか?それは、コードの構成音に含まれる「倍音」の共通性や、不協和音から協和音への「解決」に、私たちの耳が快感を覚えるからです。

例えば、ドミナントコード(V7)は不協和音を含み、トニックコード(I)へと解決しようとする強い引力を持っています。この「不安定から安定へ」という一連の流れが、物理的に心地よい響きとして脳に認識されるのです。

しかし、この本能的な心地よさが、時にあなたの発想を制限する「」になりえます。

プロのクリエイターは、この「心地よい機能和声のパターン」を熟知しているからこそ、意図的にそれを逸脱したり、別の角度からアプローチしたりします。彼らが無意識に避けている考え方の一つは、「機能和声の心地よさ」に囚われすぎて、決まったパターンから抜け出せないことなんです。

「良いコード進行」とは何か?〜目的から逆算する思考

「コード進行がワンパターンになる」という悩みは、「良いコード進行」とは何か、という誤解から生まれることも少なくありません。

失敗例:コード進行ありきで考える

多くの初心者が陥りやすいのは、「流行りのコード進行」や「かっこいいコード進行」を闇雲に使おうとすることです。

「この曲にはこのコード進行が合うだろう」と、コード進行ありきで曲を作り始めると、メロディや歌詞とミスマッチを起こしたり、曲全体として不自然な印象を与えてしまったりします。

成功例:目的から逆算する思考

では、プロはどのようにコード進行を考えているのでしょうか?彼らは、まず曲の「世界観」「伝えたい感情」「メロディ」を先に考えます。

コード進行は、メロディや歌詞、アレンジを「支える土台」であり「彩る絵の具」です。決して主役ではありません。

プロが無意識に避ける考え方の二つ目は、「コード進行単体で良し悪しを判断すること」です。彼らは「なぜこのコードを使うのか?」という意図を常に持ち、曲全体の中でその真価を発揮させることを重視します。

「このコード進行は使い古されているからダメ」なのではなく、「この曲のこの部分に、そのコード進行が最も合っているか?」が判断基準になるのです。

思考パターンの対比

思考パターン 陥りがちな結果(失敗例) プロの思考(成功例)
コード進行ありき メロディとミスマッチ、不自然な展開 メロディや歌詞を活かす土台に
理論の「正解」追及 画一的な進行、個性が消える 意図的に逸脱し、意外性や感情を表現

ワンパターンを打ち破る!プロが実践する3つのアプローチ

ここからは、あなたのコード進行のバリエーションを劇的に増やす、具体的なアプローチを3つご紹介します。

アプローチ1: 「メロディ」からコードを逆算する

多くの初心者は、まずコード進行を決めてからメロディを乗せようとします。これがワンパターンに陥る原因の一つです。

失敗パターン: メロディにコードを無理やり合わせることで、不自然な響きになったり、メロディの良さを打ち消してしまったりします。

成功パターン: メロディの「雰囲気」や「強調したい音」から、それに合うコードを探すことで、より自然で感情豊かなコード進行が生まれます。

今日からできること:

  • シンプルなメロディ(8小節程度)を先に作ってみましょう。
  • DAWでメロディを打ち込み、そのメロディの各小節に対して、3種類以上のコードを試してみてください。
  • 特にメロディの「非和声音」(コードの構成音以外の音)に注目し、その非和声音が響くタイミングで、あえてコードを変更してみましょう。

メロディ起点でコードを考える例

メロディの音(Cメジャーキー) 定番コード(例) 試すべきコード(例) 効果の例
「ド」 Cmaj7 Am7 少し切ない響きに
「ファ」 Fmaj7 Dm7 優しく浮遊感のある響きに

プロの現場では、「このメロディにはどんな感情を乗せたいか?」を共有し、それに合わせてコードを複数パターン試します。メロディが持つ潜在的な魅力を引き出すコードを探すイメージです。

アプローチ2: 「リズムとボイシング」で印象を変える

同じコード進行でも、リズムやボイシング(コードの構成音の配置)を変えるだけで、全く違う印象になります。

失敗パターン: コードをただ全音符で鳴らすだけ、またはルートポジションばかり使うと、単調で面白みに欠けるコード進行になります。

成功パターン: コードのリズムやボイシングに工夫を加えることで、同じコード進行でも驚くほど豊かな表現が可能になります。

今日からできること:

  • 既存のワンパターンなコード進行をDAWに打ち込んでみましょう。
  • まず、すべてのコードを「転回形」(コードの最低音をルート以外の音にする方法)を使って、スムーズに繋がるように変更してみてください。ベースラインが滑らかになるように意識すると良いでしょう。3種類以上の転回形を試すことで、響きが大きく変わります。
  • 次に、全音符だったコードを、8分音符や16分音符の「刻み」に変えてみましょう。特にベースの動きに注目し、コードのルート音以外の音をベースに据えてみるのも効果的です。

リズムとボイシングの変化の例

変更点 変化の例 効果
リズム 全音符 → 8分音符アルペジオ 躍動感、軽やかさ、浮遊感
ボイシング ルートポジション → 転回形 ベースラインの滑らかさ、響きの変化
ボイシング クローズボイシング → オープンボイシング 広がり、透明感

プロの現場では、同じコードでも鍵盤楽器だけでなく、ギター、ストリングス、パッドなど様々な楽器でボイシングを変えて重ねることで、全く異なる質感を生み出します。これは、音色のレイヤーボイシングの組み合わせが、コード進行の印象を決定的に変えるということを示しています。

アプローチ3: 「ノンダイアトニックコード」を意図的に使う

ダイアトニックコード」とは、あるキー(調)の中で自然に作られるコードで、心地よい響きを持っています。これに対し、「ノンダイアトニックコード」は、そのキーから外れたコードです。

なぜ「外れる」ことで効果があるのか? 人間は慣れ親しんだパターンからの「逸脱」に注意を向け、感情を揺さぶられる傾向があるためです。ノンダイアトニックコードは、緊張感や意外性、色気を生み出す強力なツールになります。

失敗パターン: 音楽理論を学び始めたばかりの人は、「キーから外れるのは間違い」と恐れて使えないことがあります。あるいは、闇雲に使うことで、ただ不自然な響きになってしまうケースもあります。

成功パターン: 短いセクションで意図的にノンダイアトニックコードを使い、その後のコードで元のキーに解決へと導くことで、ドラマチックな展開や感情の起伏を表現できます。

今日からできること:

  • Cメジャーキーで曲を作っているとして、サビ前やブリッジで、あえてF#dim7やEbmaj7といったノンダイアトニックコードを1〜2小節挟んでみましょう。
  • その後のコードを、元のキーのコード(例: G7やCmaj7)に戻すことで、意外性の中に「解決感」を生み出します。

ノンダイアトニックコードの使用例(Cメジャーキー)

定番進行(例) ノンダイアトニック投入(例) 期待される効果
C-G-Am-F C-G-Ebmaj7-F 意外性、ミステリアスな雰囲気
F-G-C F-F#dim7-G-C 緊張感からの解決、ドラマチック

プロの現場では、歌詞の世界観や展開に合わせて、意図的にノンダイアトニックコードを用いて「感情の起伏」を表現します。「ここで聴かせたいのは、ちょっとした不安感、それとも希望の光?」といった会話が交わされることも珍しくありません。

プロが無意識に避ける考え方の三つ目は、「音楽理論を絶対視すること」です。理論はあくまで「ガイド」。最終的な判断は「耳」と「感情」に委ねられるべきです。理論はコード進行の「言語」を教えてくれますが、その言語でどんな「詩」を詠むかはあなた次第なんです。

まとめ:今日から変わるコード進行

コード進行がワンパターンになる悩みは、多くのDTMerが経験するものです。しかし、その原因を理解し、思考の転換を行うことで、あなたの楽曲は劇的に進化します。

この記事でご紹介した要点は以下の3つです。

  • 心地よさという名の「機能和声の呪縛」から抜け出す意識を持つこと。
  • コード進行単体でなく、曲全体の目的から逆算して考えること。
  • メロディ起点」「リズム/ボイシング変更」「ノンダイアトニック投入」の3つのアプローチを積極的に試すこと。

コード進行に「正解」はありません。あるのは「意図」と「効果」だけです

さあ、今日からあなたのDAWで、既存のコード進行を「メロディ起点」「リズム/ボイシング変更」「ノンダイアトニック投入」のいずれかで試してみてください。きっと新しい発見があるはずです。

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この記事を書いた人

音脳ラボ運営。宅録・DTM・歌ってみたを中心に、実体験ベースで音作りを研究しています。

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