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プラグインを増やしても上達しない人の共通点

目次

導入

プラグインをたくさん持っているのに、なぜか理想の音が作れない……。そんな悩みを抱えていませんか?

「この新しいプラグインさえあれば、もっと良い音になるはず!」そう信じて、私も以前は次から次へと新しいツールを買い漁っていました。しかし、結局のところ、望む結果はなかなか得られませんでした。

この記事では、プラグインを増やしても上達しない人が陥りがちな「共通の落とし穴」と、そこから抜け出すための具体的な方法を、音脳ラボの編集者としての私の経験を交えてご紹介します。今日から実践できるヒントが満載ですので、ぜひ最後までお読みくださいね。

問題の本質

なぜ、高価なプラグインや最新のツールを手に入れても、なかなか良い音にたどり着けないのでしょうか。その問題の根っこには、多くの人が「プラグインが音を作る」という誤解を抱いている、という本質的な原因があります。

例えば、料理の腕を上げたい人が、高価な包丁や最新の調理器具を次々と購入する姿を想像してみてください。もちろん、良い道具は料理を助けてくれます。しかし、食材の知識や調理の基本を知らなければ、それらの道具を使いこなすことはできませんよね。

プラグインもまさにこれと同じなんです。EQ(イコライザー)やコンプレッサー、リバーブといったエフェクトは、それぞれが音に対してどのような影響を与えるのか、その原理と目的を理解していなければ、ただツマミをいじっても「なんとなく良くなった気がする」程度で終わってしまいます。

つまり、問題の本質は、ツールの性能ではなく、ツールを扱うあなたの「意図」と「理解」にある、ということです。プラグインは、あなたの頭の中にある理想の音を実現するための「手段」であって、それ自体が魔法のように音を良くしてくれるわけではありません。この誤解を解くことが、上達への第一歩なのです。

判断の軸

では、私たちはプラグインをどう捉え、どのように使っていけば良いのでしょうか。その判断の軸は、「そのプラグインで、なぜその処理をするのか?」という明確な意図を持つことにあります。

新しいプラグインを導入する前に、まず「この音源のこの部分を、どういう風に変化させたいのか?」という問いを自分に投げかけてみてください。

例えば、ボーカルトラックがあったとします。「なんだかボーカルが他の楽器に埋もれて聞こえるな」と感じたとき、いきなり「ボーカル用コンプ」のプリセットを試すのではなく、こう考えてみましょう。

  • 「ボーカルの特定の周波数帯域が強すぎて、耳障りに聞こえるからEQで調整したい」
  • 「ボーカルの音量差が大きすぎて、歌っている部分とそうでない部分で聞こえ方が違うからコンプで均一にしたい」
  • 「ボーカルに空間的な広がりが欲しいからリバーブで残響を加えたい」

このように、「なぜ」という問いに対する具体的な答えが見つかれば、自ずと必要なプラグインの種類や、その設定の方向性が見えてきます。この「意図」が明確であればあるほど、プラグインのツマミ一つ一つを触る意味が理解でき、結果として効果的な音作りができるようになるのです。

実践的アプローチ

ここからは、今日からすぐに実践できる具体的なトレーニングをご紹介します。それは、DAWに標準搭載されている最小限のプラグインだけで、あなたの楽曲をミックスしてみる、というものです。

新しいプラグインを購入する前に、まずはDAW標準のEQ、コンプレッサー、リバーブの3つだけを使って、一つの楽曲を仕上げてみてください。プリセットは使わず、ゼロから設定を始めてみましょう。

失敗パターンとその回避策

この練習で陥りやすい失敗パターンと、その回避策もご紹介します。

失敗パターン1:EQで特定の帯域を過度にブースト(強調)しすぎる

「この楽器を際立たせたい!」という気持ちが先行して、特定の周波数帯域を大きく持ち上げてしまうことはよくあります。

しかし、その結果、音が不自然になったり、他の楽器の音とぶつかってしまったりすることが多いんです。特に、中高域を過度にブーストすると、耳に痛い音になりがちです。

回避策:まずマイナス方向(カット)から試してみましょう。不要な帯域を少し削ることで、他の音がクリアに聞こえるようになり、結果的に全体のバランスが良くなることが非常に多いです。例えば、ベースの低域を少し削るだけで、キックがより際立つ、といった具合です。

失敗パターン2:リバーブをかけすぎて音が遠くなる、モワモワする

空間演出は魅力的ですが、リバーブをかけすぎると、音が「どこにいるのか分からない」くらい遠く聞こえたり、ミックス全体がモワッと濁って聞こえたりします。

回避策:リバーブは、ほんの少し加えるだけでも効果を発揮します。まずはドライ/ウェットのバランスを調整し、ウェット成分は全体の20%以下から試してみてください。そして、リバーブタイム(残響の長さ)も短めからスタートしましょう。例えば、ボーカルのリバーブタイムであれば、歌のテンポにもよりますが、2秒程度から試すと、存在感を失わずに空間を演出できます。

この練習を繰り返すことで、「この音をどうしたいか」という意図と、それを実現するためのプラグインの使い方が、経験としてあなたの中に蓄積されていきます。これが、新しいプラグインを導入した際に、その真価を引き出すための確かな判断力に繋がるのです。

まとめ

プラグインを増やしても上達しないという悩みは、決して珍しいものではありません。しかし、その解決策は、高価なツールを買い漁ることにはない、ということをご理解いただけたでしょうか。

今日お伝えしたかった要点は、以下の3つに集約されます。

  • プラグインは「魔法の杖」ではなく、あなたの「意図」を実現するための「道具」である。
  • 「なぜこの処理をするのか」という、音に対する明確な意図を持つことが判断の軸になる。
  • DAW標準プラグインで最小構成の音作り練習を繰り返し、原理と判断力を養う。

さあ、今日からあなたのDAWを開いて、標準搭載のEQ、コンプレッサー、リバーブだけで、あなたの音楽に「意図」を吹き込んでみませんか?きっと、今まで気づかなかった新しい発見があるはずですよ。

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