DTM(デスクトップ・ミュージック)を始めると、想像以上に“お金がかかる世界”だと実感します。
「マイクって1万円で足りるの?」「オーディオインターフェースって必要?」「プラグインって無料じゃだめなの?」
そんな疑問を抱えながら、筆者はゼロからDTMを始め、気づけば50万円以上をつぎ込んできました。
この記事では、筆者が実際にかけた出費と、その中で後悔した投資・本当に価値があった投資を赤裸々に紹介します。
🔰 筆者のDTM環境と目的
- DTM歴:約5年
- ジャンル:ロック / ポップス / アニソン / ボカロ
- 用途:歌ってみた・オリジナル曲制作
- 録音環境:6畳防音室+OTODASU(簡易ブース)
- 作業スタイル:1人で録音・ミックス・マスタリングまで完結
「パソコンとマイクさえあれば始められるでしょ」と思っていたのは最初だけ。現実はそんなに甘くありませんでした。
💰 実際にかけた出費一覧(内訳)
- マイク1:RODE NT1-A(約26,000円)
- マイク2:Lewitt LCT 540S(約75,000円)
- オーディオインターフェース:Scarlett 2i2(約24,000円)
- プリアンプ:UAD LA-610 MkII(約150,000円)
- DAW:Studio One Professional(約40,000円)
- プラグイン1:Waves Horizon バンドル(約13,000円)
- プラグイン2:iZotope Nectar 4(約22,000円)
- プラグイン3:FabFilter Pro-Q 3(約23,000円)
- 防音対策:OTODASU+吸音材(約80,000円)
- その他:マイクスタンド、ケーブル、ポップガード等(約15,000円)
合計:約538,000円(段階的に購入)
決して一気に買ったわけではなく、失敗と試行錯誤を重ねながら、必要に応じて揃えていきました。
😓 後悔した買い物・無駄だった出費
- 安すぎるUSBマイク(約3,000円)→ ノイズだらけで録音に使えず
- 無名メーカーの激安コンデンサーマイク(約5,000円)→ 音がこもり使い物にならない
- 無料/格安プラグインを乱用 → 結局は定番に戻る(CPU負荷も高くなりがち)
- 安物ポップガード → 留め具が壊れやすく位置調整も不便で買い直しに
- ミックス環境を整えず高級マイクを導入 → 結果的に音が活かせなかった
特に安物買いの銭失いだったのがUSBマイクと激安マイク。録音クオリティが悪すぎて、逆にモチベーションが下がる原因に。
また、「プラグインは数が多いほどいい」と思っていたのも大きな間違い。使わないものを買ってしまった経験は数知れず。
💎 後悔ゼロ!買ってよかった機材・環境トップ5
- 1. Lewitt LCT 540S:息遣いやニュアンスまで正確に録れる。ハイエンドクラスでコスパ最強。
- 2. UAD LA-610 MkII:真空管の温かみとコンプの質感が圧倒的。録り音が一気に“プロの音”に。
- 3. OTODASU(簡易ブース):部屋鳴りが激減。声がすっきり抜けて録音が楽しくなった。
- 4. Studio One Pro:操作が直感的で作業効率UP。録音からミックス・マスタリングまで一貫できる。
- 5. Nectar 4・FabFilterなどの有料プラグイン:圧倒的に時短になる。音質もワンランク上がる。
これらの投資は、どれも音質と作業効率に直結しました。高い買い物でも「長く使えるもの」なら十分元が取れます。
🧠 これから始める人へのアドバイス|失敗しない買い物のコツ
- 機材は“中級グレード以上”を最初から狙う(1万円以上)
- マイクより前に防音・吸音環境を整える(部屋が悪ければ全てが無駄)
- プラグインは“厳選された定番”だけで十分(Waves, iZotope, FabFilterなど)
- DAWは“使いやすさ”重視。無料体験版で試してから購入
- 音質は“録音チェーン全体”で決まる(マイク+IF+部屋+使い方)
「何を買うか」よりも、「どう使いこなすか」が本質です。初心者こそ、環境と操作性を大切に!
📊 宅録で後悔しないための優先順位マップ
音質と作業効率を最大化するために、“録音”と“ミックス”で分けて優先順位を整理しました。
🎙 録音音質を上げたいなら:
- 1. 防音・吸音の見直し(OTODASUや吸音材の適切な配置)
- 2. マイクの選定(LCT240Pro〜LCT540Sなど)
- 3. オーディオインターフェースの見直し(UAD、RMEなど)
- 4. マイクの距離・角度の再確認(20〜30cm、やや下向き)
🎛 ミックス効率を上げたいなら:
- 1. DAWの選定(Studio One、Logic、Cubaseなど)
- 2. プラグインの厳選(よく使うものを絞る)
- 3. テンプレートやプリセットの活用(ボーカル処理の定型化)
- 4. モニタリング環境の見直し(ヘッドホン・スピーカー)
📝 まとめ|DTMは“経験”と“耳”が最大の資産
DTMは機材にお金をかければ「それっぽい音」は出せます。
でも結局、一番の資産は“耳”と“経験”です。
筆者も、何十万円も失敗を重ねてきたからこそ、ようやく「本当に必要なもの」が見えてきました。
この記事が、これからDTMを始める方や、機材選びに悩んでいる方のヒントになれば幸いです。
無駄な買い物も、遠回りも、全部が“あなたの音”を作る経験になります。
ぜひ後悔のないDTMライフを!
コメント